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キーパーソンインタビュー
女性としてのキャリアの築き方や、ワーキングマザーとしていきいきと働くコツなど、働く女性のロールモデルになりうる方、もしくは女性が輝くための制度や施策を導入している人事担当者へのインタビューです。

「女性」を理由に
挑戦を諦めるのは勿体無い
性別、国籍に関係なく、適した人財を適したポジションに
(リンダ・ジョセフ) 人財開発部 課長
YONEX
(ヨネックス)
(ヨネックス)

企業概要
「スポーツの喜びを世界の人々と共感したい」――企業スローガン「スポーツごころを世界に」にはそんな思いが込められています。現在、バドミントンラケットは世界トップのシェアを有し、テニスではワウリンカやイバノビッチなどトップ選手の活躍を通じて、高い信頼を獲得しています。ゴルフ部門では、新素材複合技術を駆使し"飛び"を常に訴求。アメリカ、ドイツ、イギリス、台湾、中国の現地法人をはじめ、代理店は50カ国以上にのぼり、スポーツを通じた社会文化の発展に貢献しています。
キーパーソン インタビュー
1946年に木製品の製造販売会社として創業し、今では世界中のアスリートに愛されるスポーツメーカーとなったヨネックス。去年より人財開発部が新設され、研修や昇格システムに大きな改革をもたらそうとしています。女性初の次長として活躍する関口さんと、人財開発部の課長として外部より迎えたリンダさんに、これまでとこれからのヨネックスについて、お話を伺いました。
人の話を聞くのが好き。それが仕事に活きている
お二人の職歴と、これまで手掛けてきた仕事について教えてください。
関口:ヨネックス製品に初めて出会ったのは、中学生でソフトテニスを始めた頃です。愛用していたので、ヨネックスという会社にも親近感があって新卒で入社しました。ただ当時、同期はみんな現役でスポーツをばりばりやっていたので「私は体育会系でもないし、大丈夫かな」と不安で一杯でしたね。
1年目はマーケティング部に配属され、硬式テニスや軟式テニスの市場調査を担当し、どんなラケットが売れているかなどのリサーチを進めていました。お客様相談業務を始めたのは2年目から。当時は、“お客様相談室”という部署がなかったため、市場調査と並行しながらマーケティング部の問合せ業務を担当していました。
お問合せ業務の専任となったのは5年目、マーケティング部にカスタマーサービス課が新設されてからです。以来、お問合せ業務、一筋。お客様からの質問や相談、ときには厳しいご意見に返答し、その声を製品開発に生かせるような仕組みづくりに携わってきました。会社の組織編成の中でも、法務の対応をより強化させるために法務室管轄になったり、よりお客様の近い立場でお応えできるように営業企画部の管轄になったりと、状況変化に対応する形で変遷しながら、2010年に現在のお客様相談室として独立しました。
もともと、人の話を聞くのが好きで、この人は何を求めているのだろう、と考えるのが好きなので、それがお客様相談室での仕事に活きていると思います。
リンダ:ヨネックスにジョインしたのは2013年12月。それまで2社を経験し、50歳での2度目の転職でした。新卒で入社したのは、外務省傘下の社団法人(当時。現在は一般社団法人)東京アメリカンクラブです。日本人、アメリカ人を中心に、52ヶ国約5,000人のメンバーが所属している会員制社交クラブで、メンバーやゲストを招いての会議や文化交流プログラム、婦人会イベントなど、大小さまざまな規模のイベントが開催されており、ここでは約22年間勤めていました。
その後、本社がアメリカにある分析機器会社に転職。社団法人から民間企業へ、しかも、転職先の部署がマーケティングコミュニケーション部だったので、かなり思い切ったキャリアチェンジでした。分析機器に関する専門用語が全く分からず、必死で知識をつけるところから始まり、帰宅後、分厚い専門書を読みながら寝落ちすることも多々ありました(笑)。アジア亜太平洋統括として、中国、韓国、台湾、オーストラリア、日本それぞれのマネジャーと、各国の売り上げ状況を共有しながら、「本社が定めるブランディングを尊重しながら、アジア各国でどう売っていくか」販促企画を詰めていました。
2つのまったく異なる組織で、人をマネジメントする立場を経験したことで、企業にとっての人材の大切さを痛感。人の育成に携わる仕事がしたいと思い、ヨネックスの人財開発部への転職を決めたのです。
いただいたチャンスは前向きに引き受ける
キャリアを築いていく上での葛藤や、不安などはありましたか。
関口:私は現在、次長というポジションで5人のメンバーをマネジメントしているのですが、係長や課長と役割を与えられるたびに、「私でいいのだろうか。責任を果たせるだろうか」と不安だらけでしたね。前に出るのが苦手なタイプだからこそ、お客様相談室という裏から当社の商品やサービスを支える仕事が合っているのだと思っていたのに、リーダーの立場なんて……!と(笑)。
だけど、「やってみなさい」と与えられたせっかくのチャンスに、及び腰でいては勿体ありません。自分ですら知らなかった新たな強みが引き出されるきっかけになるかもしれないと、前向きに捉え仕事に向き合っています。
リンダ:当社に入るとき不安だったのは、中途入社の社員が少ないということでした。新卒で入り、ヨネックスの文化や習慣、歴史をよく知っている社員がほとんどの中、50歳での転職なんて、受け入れてもらえるのだろうか。馴染めるのだろうかと。でも、心配は杞憂に終わりました。私が所属する人財開発部は、ダイバーシティを進めていくにあたり、2013年10月にできた新設部署。だからこそ、新しいチャレンジにも寛容で、とてもオープンでアットホームな雰囲気でした。
関口:そうですね。アットホームで、周りがとても親切にサポートしてくれるのは当社で働く魅力だと思います。20代のころは、自分のスキルアップに注力していて、一人で全部やろうと仕事を抱え込むことが多くありました。しかし入社10年目で係長というポジションをいただいたことで、「自分にできることは限りがある」と思うように。そこから、メンバーとのかかわり方が変わりました。
例えば、お客様からきた相談にメンバーが返答のメールを作ったとします。それをチェックするとき、以前は「質問に対して回答が曖昧だから、こういう文章を書いたらどう?」と、自分が持っている答えを伝え、その通りに直してもらうようなオペレーションをとっていました。でもそれでは、メンバーから新しいアイデアは出てきませんし、自分の能力以上のものを生み出すこともできません。お客様とのトラブルがないように、仕事を素早く進めることばかりを考え、自分が苦しくなっていたので、「もっとメンバーに任せよう」と、考え方を改めました。
そこで、「質問に対して回答が分かりにくいと思うけど、どこを直すといいと思う?」と、自ら考えてもらうよう促すと、とても簡潔な文章に練り直し、「こういう情報を伝えた方が分かりやすいと思いました」と新たな考えを提案してくれることが多くなったのです。メンバー一人ひとり、それぞれの強みがあります。個の力を引き出し共有することで、部の力もぐっと増すことを学んだ経験でした。
以前は誰も意見を言わなかった、新製品の知識共有のミーティングでも、今では鋭い質問が飛び交い、活気があります。アイデアを出し合い、部全体がレベルアップしていく雰囲気ができているのは、とても嬉しいですね。
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